サポートしているプラットホーム ============================== Muttは次に示すUNIXオペレーティングシステムでコンパイルと動作が報告され ています。 AIX BSDI Convex Data General Unix (DG/UX) Digital Unix (OSF/1) DYNIX/ptx FreeBSD HP-UX IRIX Linux Atari MiNT MkLinux NetBSD OpenBSD QNX SCO Unix 3.2v4/5 Solaris SunOS Ultrix UnixWare - (gccのような) ANSI C コンパイラが必要です。 - SysV 互換 curses ライブラリも必要です。なければ、GNU ncurses か S-Lang をインストールする必要があります。 GNU ncurses, ftp://prep.ai.mit.edu/pub/gnu/ S-Lang, ftp://space.mit.edu/pub/davis/slang/ - Mutt は文字コードの変換に iconv API の実装が必要です。 フリーな実装の一つに次の URL で示すものがあります。 http://www.gnu.org/software/libiconv/ インストール ============ Mutt は GNU autoconf パッケージを利用しているため簡単にインストールで きます。Mutt の配布物を単に untar して、"configure"スクリプトを実行す るだけです。CVSリボジトリから配布物を取得した場合には、configure に渡 すのと同じコマンドラインパラメータを付けて"prepare"スクリプトを実行し ます。この prepare スクリプトは Mutt の構築環境を整え、tar ballには存 在するけれどCVSリポジトリには存在しないファイルを追加します。 大抵の場合には、configure はコンパイルするために知る必要があるもの全 て自動的に識別します。しかし、configure の作業を補助したり、デフォル トの動作を変えたりするために、いくつかのオプションがあります。 --prefix=DIR /usr/local の代わりに DIR に Mutt をインストールします。 --with-curses=DIR DIR/lib にある curses ライブラリを使います。 ncurses があれば、configure が自動的に /usr/include/ncurses を見て、その include ファイルを探してくれます。 --with-slang[=DIR] ncurses ライブラリの代わりに S-Lang ライブラリを使います。 このライブラリは ncurses ほど厳格に適切な termcap エントリを 必要としないため、こちらの方がうまく機能する人もいるようです。 Mutt では最低でもバージョン 0.99-38 以降を使うことが推奨されます。 --with-mailpath=DIR あなたのシステムでスプールメールボックスの置かれている場所を 指定します。 --with-homespool[=FILE] ユーザのホームディレクトリにあるファイルをスプールメールボック スとして扱います。FILE はフルパスではなくユーザのホームディレ クトリに対する相対パスであることに注意してください。FILE が指定 されない場合はデフォルトで"mailbox"が使われます。 --enable-pop POP3サポートを有効にします。 --enable-imap IMAPサポートを有効にします。 --with-gss[=PFX] IMAPサーバへの GSSAPI 認証を有効にします。 これは MIT と Heimdal のどちらの GSSAPI 実装でも動作するはずです。 他の実装はテストされていません。Cyrus SASL ライブラリも GSSAPI を サポートしており、それを用いてセッションを暗号化できることを 覚えておいてください。可能なら SASL の方を使うべきです。 --with-ssl[=PFX] IMAP と POP で SSL サポートを有効にします。 SSL サポートは Mutt のコンパイル前に OpenSSL のヘッダとライブ ラリが正しくインストールされていることを要求します。OpenSSLの ヘッダとライブラリがデフォルトのシステムパスに無い場合には、 インストール場所のルートディレクトリを決める PFX 引数を付ける ことが出来ます。このときに、ライブラリは PFX/lib に、ヘッダは PFX/include/openssl に見つかることが期待されます。 --with-sasl[=PFX] IMAPとPOPの認証に Cyrus SASL ライブラリを使用します。 このライブラリは、いくつかの認証方法に包括的なサポートを提供し ます。対応する認証方法は、Mutt を再コンパイルしなくてもシステ ム管理者があとで追加できます。SSL が利用できなくても SASL が メールのセッションを暗号化できる場合があります。 --disable-nls このスイッチは Mutt の母国語サポートを無効にします。 --with-included-gettext intl/ サブディレクトリに含まれている GNU gettext ライブラリを 使って Mutt は構築されます。configure スクリプトにとって gettext らしく見えるものがマシンにあるのにそれが Mutt のカタロ グファイルをうまく処理できない、という場合には、このスイッチを 使う必要があるかもしれません。 --with-regex ローカルの regexp ルーチンの代わりに GNU regex を使います。 POSIX 仕様の regcomp/regexec/regfree がないシステムも多いため、 このルーチンがそれをサポートするための方法を提供します。 --enable-flock ファイルをロックするために flock() を使います。 --disable-fcntl デフォルトでは、Mutt はファイルをロックするために fcntl() を使 います。これは NFS 越しだと読み書き速度をひどく低下させます。 dotlock も無効になっている場合にこのオプションを使用することは 危険になり得ることに注意してください。 --enable-nfs-fix いくつかの NFS の実装は小さいファイルの atime/mtime を必ずしも 書き換えません。これは Mutt の "mailboxes" 機能が必ずしも有効 に機能しないことを意味します。これはファイルが新着メールを持っ ているかを判断するためにこの特性を使っているためです。 このオプションはこのバグに対して有効に働きます。 --enable-locales-fix システムによっては、環境変数 LANG を設定している場合でさえも、 どの文字が表示可能文字なのかを判断するために isprint() の結果 を信頼することができません。このオプションを設定した場合、Mutt は ISO-8859-* の範囲の全ての文字が表示可能文字であると仮定しま す。このオプションを設定しないままであれば、Mutt は環境変数 LANG, LC_ALL, LC_CTYPE のどれかが設定されていれば isprint() を 使おうと試みます。この環境変数がどれも設定されていない場合は ISO-8859-* の範囲を表示可能文字であると仮定します。 --enable-locales-fix を必要とするのであれば、多分 --without-wc-funcs も必要でしょう。しかし、正しく設定された最新のシステムでは、ど ちらも必要ないはずです。その代わりに LANG, LC_ALL, LC_CTYPE を 設定してみてください。 --without-wc-funcs デフォルトでは、Mutt は利用可能であればシステムで提供されている 関数 mbrtowc(), wctomb(), wcwidth() を使います。このオプションを 付けると、Mutt は自身が持っているバージョンの関数を使います。こ れはシステムが通常ではマルチバイトの文字コードをサポートしていな い場合でさえも、UTF-8, euc-jp, shift_jis といった8ビットの表示用 の文字コードでうまく動くはずです。 環境変数 LANG や LC_CTYPE を正しく設定しているのに Mutt が(\243の ような)八進数のエスケープシーケンスとして非ASCII文字を表示してい るのを見つけたら、--enable-locales-fix と --without-wc-funcs の 両方あるいは片方を付けて、その問題を解決することが出来るかもしれ ません。 --with-exec-shell=SHELL UNIX のバージョンによっては、/bin/sh は Mutt での emacs の使用を 非常に困難にするバグがあります。emacs で control-G を押すと必ず Mutt と emacs が混乱するという問題があるならば、 /bin/sh 以外の Bourne 系シェルを使ってみたいと思うかもしれません。 うまく動くシェルは bash, zsh, ksh です。csh と tcsh のような C シェルはほぼ間違いなく正常に動作しません。このオプションは '!' を押したときに Mutt から起動するシェルとは無関係であることに注意 してください。このオプションは上記の問題を解決するためにのみ使用 し、上記のシェルのいずれか一つだけを引数として指定してください。 (もし、プラットホーム本来の Bourne シェルで問題に出会ったら、 mutt-dev@mutt.org に短い報告を送ってください。この話題に関する 短い記述を以下のセクションのプラットホーム別注意に追加します。) --enable-exact-address デフォルトでは、Mutt は入力に関わらず次の形式で全てのアドレス を書き換えます。 Personal Name このオプションを有効にすることによって、解析された同じ形式で アドレスを書きます。 注記: これは著しく多大なメモリを必要とします。 警告: このオプションを使ってはいけません。これは壊れています。 "configure"が終了した後は、単に "make install" と打ってください。 Mutt は(エラー無しに)きれいにコンパイルするはずです。そして、最後には "mutt"と呼ばれるバイナリになるはずです。A_NORMAL とか KEY_MIN のような 未定義のシンボルについてのエラーが出たら、多分 SysV系の curses ライブ ラリがないのです。ncurses か S-Lang (上記参照)のどちらかをインストール すべきです。そして、再び "configure" スクリプトを実行してください。 "VPATH" ビルドは現在は機能しないことに注意してください。 文字符号化方式のサポート ======================== 文字符号化方式の変換のための関数を Mutt はもはや含んでいません。 代わりに、iconv 関数 (iconv_open, iconv, iconv_close)が提供されることを 期待しています。最近のほとんどのシステムはこの関数を提供しており、よく C ライブラリの一部として提供しています。この関数を持っていないシステムに Mutt をインストールするのであれば、Bruno Haible 氏の libiconv ライブラリ をインストールすることが推奨されます。このライブラリは次の場所から手に入 ります。 ftp://ftp.ilog.fr/pub/Users/haible/gnu/ システムが iconv 関数を提供している場合でさえも、機能を非常に限定した バージョンの iconv しか提供していないシステムもあるので、libiconv を インストールしたいということがあるかもしれません。 あなたのシステムの iconv の実装を使うことを決めたら、いくつかの文字符 号化方式について実装の定義名を Mutt に教える必要があります。様々なシ ステムにおけるサンプル設定ファイルが、このソース配布物の contrib/iconv/ ディレクトリに置いてあります。また、Mutt の文書の一部として samples/iconv ディレクトリにインストールされます。 このサンプル設定ファイルを使うために、次ような行をあなたのシステム共通 の Muttrc に追加してください。この Muttrc は普通 /etc か /usr/local/etc にあります。 source /usr/local/doc/mutt/samples/iconv/iconv.osf1-4.0d.rc もし本当にしたいのであれば、--disable-iconv を付けて Mutt を設定するこ ともできます。しかし、文字符号化方式の変換を行いません。 プラットホーム別注意 ==================== All platforms Meta キーが Mutt で機能するのを妨げるバグが(全てではないに しても) 大抵のバージョンの S-Lang にあります。パッチはこの Mutt の配布物の contrib/patch.slang-1.2.2.keypad.1 という ファイルにあります。 Solaris 2.4 システムの regcomp() と regexec() ルーチンは大変ひどく壊れて います。これは configure スクリプトで自動的に検出されるはずで す。そうでなければ、Mutt の configure の際に、--with-regex ス イッチを使ってください。 Solaris 2.4 の NLS ライブラリが "C" 以外のロカールを使ってい るときに Mutt が core dump するという報告を受けています。 この問題を経験したら --with-included-gettext の configure のスイッチを使ってください。 Solaris の curses ではカラーがうまく機能しません。カラーサポー トが機能するように ncurses か S-Lang のどちらかと共にコンパイ ルする必要があります。 Solaris 2.6 システムの regexp ライブラリとリンクした時に、Muttが変に動作 するとの報告があります。このプラットホームで configure を行う 際に --with-regex スイッチを使ってください。 実際の修正のためには、sunsolve.sun.com から Sun のパッチ # 105490-05 (linker patch) と # 105210-17 (libc and malloc patch) を当てることにより、この問題が生じるのを止めると報告されてい ます。 Linux 最近の Linux システムにおいて、flock() と fcntl()のロックが 同時に使えません。そのようなシステムにおいて --enable-flock スイッチを使うのであれば、 --disable-fcntl も同様に必ず与え てください。 Sparc Linux Redhat 4.2 Sparc ユーザは Mutt をビルドする際にいくつかの システム include ファイルで問題があると報告しています。 --disable-warnings スイッチを付けて Mutt を configure すると この問題に対して対処されるようです。 Digital Unix (OSF/1) システムの curses ライブラリはひどく壊れているようです。 GNU ncurses か S-Lang を代わりに使ってください。 The original file is mutt-1.4/INSTALL. Translated to Japanese by TAKIZAWA Takashi and members of mutt-j ML.